むち打ち症でも後遺障害が認められることはあります

むち打ち症では後遺障害は認められないという話を聞いたという方の相談を受けることがあります。

しかし,それは間違った情報で,むち打ち症でも後遺障害が認められることはあります。
事実,後遺障害の認定件数は年間6万件程度ですが,むち打ち症にもとづいた後遺障害も多数認められています。
むち打ち症で痛みやしびれが残った場合は下の図の神経症状に該当します。

後遺障害部位・症状ごとの認定割合

むち打ち症で後遺障害が認定される条件

もっとも,むち打ち症の場合は症状が自覚症状しかないというケースもよくあります。
そのため,本人としては痛みがあるのに後遺障害が認定されないという事態がしばしば生じます。

むち打ち症で後遺障害が認められるかは,後遺障害診断書を含む診断書類の記載,レントゲンやMRIの画像所見,治療実績などから,症状が客観的に証明できるか,あるいは矛盾なく説明できるかを基準に判断されます。

むち打ち症の等級は

むち打ち症で後遺障害が認められる場合は,12級か14級のいずれかの等級となります。

12級と14級の区別は,他覚所見によって症状が客観的に証明できるか否かが基準であるとされています。
他覚所見というのは画像所見と神経学的所見のことを指します。
画像所見は神経の圧迫等が画像上で見てとれるか否かの問題です。
神経学的所見は反射等の検査結果に異常があるか否かの問題です。
画像は後遺障害の認定をする調査事務所も見てくれますが,神経学的所見は主治医の先生に頼んで診断してもらわないとないものとして扱われますので,注意が必要です。症状が重い場合,神経のテストは必須です。

また,後遺障害診断書に画像所見として異常が記載されているのに14級しか認められないというケースが非常に多くあります。

理由はいくつか考えられます。

例えば画像上で変性が認められても,それが事故によるものかどうか判断できないとされることがあります。事故に遭わなくてもヘルニアになる人はいますし,年をとれば背中が曲がってきますので,変性が事故によって生じたのか判断するのはなかなか難しい面があります。

また,画像上に異常があっても,それが症状とどのように関係しているのか不明確のような場合は,いくら異常があってもそれによって症状が証明されているとはいえないと判断されることもあります。

むち打ちの後遺障害の賠償金

後遺障害の賠償金として慰謝料と逸失利益の支払いを受けることができます。
慰謝料は通院慰謝料とは別に請求できるもので,等級によって目安が決まっています。例えば14級なら110万円です。

逸失利益の賠償金は年収によって異なります。
例えば年収350万円の方ならば,14級で47万円~75万円くらいが目安になるでしょう。

ちなみに主婦の方の年収は約364万円として計算します。

保険会社は14級がとれても75万円程度の提示しかしてきません。しかし,上記の通り,適正な後遺障害の賠償金は比較的高額になります。
後遺障害があるならば弁護士に依頼することをお勧めします。